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島前ふるさと魅力化財団様│マンスリーファンディング事例

~今回の5つの成功要因~
その1:顔の見える関係で”ファン”を増やした
その2:ターゲット層を明確にした
その3:サポーターの特典を明示
その4:積極的に団体スタッフを巻き込んだ
その5:スムーズな軌道修正

Syncableには弊社ファンドレイザーによる、マンスリーファンディングやクラウドファンディングといった寄付キャンペーンの伴走支援サービスがございます。寄付キャンペーンの立ち上げ準備から公開、キャンペーン期間中により多くの支援者を集めるために、各団体様をサポートさせていただいております。

今回インタビューをさせていただいたのは、島前ふるさと魅力化財団の皆さんです。設立10年目を迎える2022年、次のステージに向けて、事業へ協賛し、未来を共創していく仲間を集めるためのマンスリーファンディングを行う際に、伴走支援を活用していただきました。

【一般社団法人島前ふるさと魅力化財団 概要】
「魅力的で持続可能な学校と地域をつくる」ことをビジョンに掲げる。島根県隠岐諸島の島前地域(西ノ島町・海士町・知夫村)で、
島の暮らしにある幸せや豊かさが長く続くことに、
教育分野から貢献することを目指している。

Syncableキャンペーンページより転載

達成人数:166人
達成金額:210,893円(年間2,530,716円)

インタビューを受けていただいたのは、今回のキャンペーンを担当した佐藤様です。

伴走担当者の増田(左上)、インタビュアーの武藤(右上)、キャンペーン担当者佐藤様(左下)

―今回のマンスリーファンディングの目的を教えてください

資金獲得よりも”繋がる”を大切に

佐藤:もともと財団はこれまでの高校教育魅力化という取り組みを通じて全国に応援してくれる方がいらっしゃいました。でも、その方たちと繋がる手段がほとんどありませんでした。また、財団の財源としてはほとんど行政からの補助金で成り立っているため、それらをどうにか打開したいと以前から課題としてとらえていました。

Syncableキャンペーンページより転載

また、当初より生徒の保護者の方にも「いろいろ協力するよ」と多く声をかけてもらっていたのにも関わらず実際は一緒に何かをやることができなかったという背景もあったので、今回の寄付キャンペーンでは、資金を集めるのはもちろんですが、特に島前の高校に通う生徒の保護者の方たちとも繋がることを第一の目的としました。

そしてクラウドファンディングですと1回きりの寄付・繋がりで終わってしまうので、支援者と”継続して繋がる手段”としてマンスリーファンディングを選びました。

―マンスリーファンディングの開始前の印象と、終了した際の感想を教えてください。

Syncableキャンペーンページより転載

顔の見える関係性の重要性に気づいた

佐藤:マンスリーファンディングを始めるというのは、最初は財団のリーダーと広報担当の佐藤の間でのみ決定し、その後にスタッフへ実施する旨を周知しました。広報担当としては、これまでずっと抱えていた財団の課題解決に着手するために、先送りせずに”今”が前進するタイミングなんだ!という気持ちが強くありましたね。実施してからは、それぞれのスタッフが各自の得意分野で活動してくれ、たくさん協力してくれました。
 このマンスリーファンディングの期間が終わった後は、各スタッフが自分たちにはたくさんのサポーターがいるんだという意識をさらに持つようになりました。それによって、これまで活動単体で完結ぎみだったのが、より可能性の拡がる内容になってきたかなと思います。そして、サポーターと繋がる、ひいては資金を得るための小さな企画がいくつか生まれました。
 具体的には、全国から依頼をいただく視察受け入れです。財団の取り組みについて説明を聞いたり、各スタッフと対話し共に学びを深めたりすることを要望されるケースが多くあったのですが、それを一部有料化することで、活動を紹介しつつ資金獲得が出来るという形に変えることができました。 また、マンスリーファンディングを通じ、スタッフ一人ひとりの顔を見せることの重要性に気づいたので、これまでは縁の下の力持ちで、あまり表舞台に立つことのなかった寮の運営担当者であるハウスマスターを主役にしてオンラインでの有料お話会を開いたりなどもしています。キャンペーンの開催だけでは財団の表面しか見ることが出来ませんが、今後はスタッフ一人ひとりをクローズアップすることで財団のことを知ってもらい、さまざまな方の応援を受けつつ、結果的に資金獲得に繋がればいいなと思っています。

-成功要因について教えてください

①ターゲット層を明確にして挑んだキャンペーン

佐藤:成功要因は4つあります。
まず、ターゲット層のイメージが明確だったことが一つ挙げられます。やみくもに新しい人と繋がろうとするのではなく、今まで繋がりたかったけれど繋がれていなかった人たちをターゲットにしました。財団と繋がる可能性が高いのに繋がっていない人たちは誰なのかと考えたとき、それは以前より活動を応援してくださっていた生徒の保護者の方々でした。

そんな自分たちの潜在的な支援者と繋がることを目標にして、普段使っていたFacebook、ホームページ、LINEをメインに活用して、今ある活動をそのまま伝え、一緒に活動していきませんかというメッセージを伝えることに徹しました。

ターゲット層を明確にしたことで、今回の開催期間を、卒業でお世話になった恩返しをしたいと考えてくださる保護者と、入学式で「これからよろしくね」という気持ちを持ってくださっている保護者と繋がるタイミングである卒業入学シーズン(2月28日~4月15日)に決めることができました。

Syncableキャンペーンページより転載

②島の未来を創っていく仲間になれることをアピール

 2つ目に、キャンペーンページにおいて、サポーターになると資金的な支援をするだけでなく、島の未来を共創する仲間になれるよというアピールをしました。
ここで活用したのが「魅力化わいがや会議」という、島の未来を一緒に議論して考えるという企画です。いろんな方が多様な視点で話す場が偶然何かを生み出すこともありますよね。これまでの財団の活動の中には、その偶然から生まれたものも含まれており、すごく良い循環を生み出しています。それをマンスリーサポーターとも行いたいと思い、この「魅力化わいがや会議」をサポーターとのメイン活動の一つとしました。
 しかし、実際にはまだ開催したことが無かったので、キャンペーン期間中にプレ企画として、サポーターになっているなっていないに関わらず、声掛けをして多くの方を集めて開催してみました。すると、実際に開催することで参加者からいろんな提案をいただくと同時に、開催における改善案などがわかったので、次に活かしていきたいと思っています。

Syncableキャンペーンページより転載

③積極的に団体スタッフを巻き込んでいく

 団体内部でもキャンペーンの動きを随時共有して各スタッフが協力してくれるように心がけました。これも成功要因の一つです。

キャンペーンサイトで活動報告をしたり、団体のホームページやFacebookを更新するタイミングに合わせて各スタッフへ共有し、拡散してもらえるようにしました。
もともと今回のマンスリーファンディングにおける広報では、お金を支援してもらいたいというお願いをするよりも、仲間を募りたいという見せ方をしたいという考えがありました。そのため、スタッフにはキャンペーン期間中に自分たちの活動を中心に発信し、「一緒にやっていきたい」と積極的に広報してもらうようお願いしました。

 また、キャンペーンが始まる際に、普段団体で使っているコミュニケーションツール内で「フレンドファンディング」と名付けたチャンネルを作成し、全スタッフに参加してもらいました。マンスリーファンディングとか、クラウドファンディングといった名前は使わず、私たちはファン/フレンドを作っているんだよという意味を込めました。そのチャンネルで、ファン/フレンドになり得る潜在的な寄付者と繋がる方法をどんどん提案してもらうようにしました。

 その他にも、キャンペーン運営を担当するメンバーが三者三様のコミュニティに属していたことも、様々な視点を取り入れることが出来たという点で良かったです。高校で活動しているスタッフは生徒のことがよくわかり、もう一人は寮での活動で生徒と同時に保護者も見れる。私は塾に席を置き財団総務を担当しているので、スタッフとの距離が近いです。この異なった視点によって、広報の仕方や活動報告などで、一辺倒なアイデアではなく、保護者へのアプローチの仕方、寄付のリターンなど様々なアイデアを生み出すことができました。

④サポーターから”生の声”を聞き、軌道修正

Syncableキャンペーンページより転載

 サポーターの人数が伸び悩んでいる時に、実際に生徒の保護者の方に話を聞いてみる機会を作ってみることで、いろいろな発見がありました。その一つに保護者の方にとっては、サポーターになって一緒に未来を創る・関わるというのが敷居が高く感じるということでした。サポーターになることにハードルを感じさせてしまっていた文面を、いかに保護者の方の気持ちに近づけるか、どうしたら保護者間でシェアしてくれるかということを考え、文章を改善しました。これらの軌道修正をスムーズにできたことが成功につながったと考えています。
 そしてなんと、インタビューを受けてくださった方が、私たちが悩みながらサポーターを集めていること、今後保護者と繋がっていきたいということを保護者ネットワークで拡散してくれました。私たちの言葉足らずな部分を全て解釈し、説明していただいたのがとてもうれしかったです。

-今後の活動としては、どのようなことを考えていますか

単発ではなく、継続してキャンペーンを開催していく

佐藤:特典の「魅力化わいがや会議」はまだ開催しておらず、秋に開催する予定です。また他にもサポーター間でもやりとりができるコミュニティの場を作りたいと思っています。具体的には、保護者の方を対象とした対面の企画を9月に提供したいと考えています。繋がりを持ちたかった方たちと関われる実現性が高まってきて、とてもうれしいです。
加えて、一度きりの取り組みではなく、継続してマンスリーファンディングの取り組みを続けていきたいと考えています。
継続的に応援している顔が見える仕組みは、もちろん私たちにとってはプレッシャーにもなりますが、一方でその恩をしっかり返していきたいというきっかけにもなります。来年以降も開催する予定で、ルーティンで行うことにより常に私たちの活動の支援者を増やしていくことが出来ると考えています。

Syncableキャンペーンページより転載

-今回のマンスリーファンディングでの気付きなどあれば教えてください

佐藤:今回はかなり少数でキャンペーンを運営していたので、Syncableさんには手が回らないところで助けていただき、とても助かりました。おそらく伴走支援が無ければ今回は開催できていなかったと思います。
 そして今回のキャンペーンを経て、気づいたことが2つあります。

  • キャンペーンサイトでの活動報告を頻繁に投稿するとプラスになること

  • いただいた応援メッセージを共有すると寄付に影響すること

最後の一週間は、何もやらないのではなく、がむしゃらに、怒涛に動く期間だと覚悟していたので、いろんな内容を取り上げて頑張って更新しました。

すると、キャンペーン終了前日に目標人数の100人を達成していて、本当に何が起こったんだろうとびっくりしました。率直に、寄付の特典送付の対応が忙しそう!と思いました。笑 でも、この結果はこれまでみんなが頑張って進めてきた活動の結果であり、そして蓄積していた人脈の結果なんだなと思いましたね。本当にありがたいなという気持ちでいっぱいになりました。

伴走担当者の声

Syncableファンドレイザー 増田

改めましてこの度は、財団さま10周年の節目に伴走支援付きのマンスリーファンディングをご活用いただき、ありがとうございました!
全国から多くの生徒が集まる「隠岐島前高校」、教育カリキュラムが大変魅力的で、メディアやブログで何度も取り上げられていることもあり、その活動実績が大変印象的でした。

今回のマンスリーファンディング企画では、そんな活動実績にも触れながら、新しく次のステージに向けて「共創者」を募りたいとのことで、サポーターさんにどのように関わってほしいかを伝えるようなコンテンツ作りに一貫してこだわっていらっしゃったと感じています。
そして、そのコンテンツを「届ける人」と「届ける先」を一辺倒にするのではなく、内部の皆さまにもご協力をいただきながら、財団全体でファンドレイジングに取り組んでいただけたことが、今回の達成の大きな要因だったのではないかと思っています。

また、今回サポーターとなってくださった方々の中には、隠岐島前高校の卒業生や在学生の保護者さまも含まれておりましたが、マンスリーファンディングをスタートする以前から、保護者のみなさまの「何か高校のためにできることをしたい!」という声にずっと耳を傾けられており、それは今回のキャンペーン実施期間中も変わらずでした。途中で保護者さまの声に合わせて打ち出し方を迷わず修正された潔さは、本当にかっこよかったです。

今回賛同いただいたサポーターの皆さまと共に、財団さまの活動がもっともっと大きくなっていくことを心から願っております。
時期を見て、隠岐島前地域にも遊びに行かせてください!

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