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一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン様│マンスリーファンディング事例

Syncableには弊社ファンドレイザーによる、マンスリーファンディングやクラウドファンディングといった寄付キャンペーンの伴走支援サービスがございます。寄付キャンペーンの立ち上げ準備から公開、キャンペーン期間中により多くの支援者を集めるために、各団体様をサポートさせていただいております。

今回インタビューをさせていただいたのは、一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパンの皆さんです。公立小学校にて食を通じた学習を提供している団体です。「すべての子どもたちに学校菜園を」というビジョン実現に向けて、より力強く歩みを進めるための支援者を集める際に伴走支援を活用していただきました。

達成金額:毎月94,980円(年1,139,760円)
支援者数:107人

【一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン 概要】
”すべての子どもたちに学校菜園を”というビジョンのもと、「エディブル・スクールヤード」という“食べる”を学びの軸におく教育手法を通じて、子どもたちの生きる力の根っこを育む実践に取り組む。今年で設立8年目。

インタビューを受けていただいたのは、エディブルスクールヤードでの指導を行っている山本様です。

”食べる”という一連の営みの体験を通じて様々なことを学んでいく

――マンスリーファンディング、お疲れさまでした。目標人数の達成おめでとうございます。そもそも、エディブル・スクールヤードとはどのようなものなのでしょうか。
山本:
直訳するとエディブル・スクールヤードとは「食べられる校庭」になります。学校にある農地や農園といったガーデンを使用し、子どもたち自身が食べているものを種や苗の状態から自分たちで育て、収穫し、食べるというものです。育てる途中で出た選定くずや刈り取った雑草、余った野菜等をコンポストにして土に返したり、”食べる”という一連の営みの体験を通じて様々なことを学んでいく、そんな学習プログラムを提供しています。


多様な視点を養い、多様性の許容や尊重を促す

――この活動は社会にどのような影響を与えるのでしょうか
山本:
食べるということを中心に置くと、その中であらゆる教科を学ぶことができます。例えば、現在プログラムを提供している小学校の、3年生の国語の教科書には『すがたをかえる大豆』(国分牧衛, 光村図書)という文章があります。その文章に載っている大豆を種から育て、お豆腐を作っているのですが、「大豆一粒から何粒の大豆ができたか?」を算数の単元である三桁以上の足し算を使って計算したり、株ごと収穫した大豆を観察することを通じて理科の学習でもある植物の仕組みを考えたりしています。豆腐を作るというところでは、地域のお豆腐屋さんといった生産者さんをお呼びして、一緒に豆腐を作っています。地域の生産者さんの姿を学ぶ、社会の学習を、実践を通して学ぶことができています。このように、”食べる”ことを通じていろんなことを包括的に学習することができて、学力と共に子どもたちの多様な視点を養ったり、多様性の許容や尊重を促すことができると考えています。

「We Are What We Eat(食べることは生きること)」

これは、エディブル・スクールヤードを始めたアリス・ウォータースが大切にしている言葉です。自分たちが何を食べるかを選択することや、自分たちが食べるものを自分たちの手で育てることというのは、子どもたちの生きる力に繋がっていくのではないかと思っています。私たちの活動のなかで培われる力は、将来的に子どもたちが自分たちの手で作っていく社会に影響を与えていくんじゃないかなと思っています。 また、短期的なところで言えば、エディブル・スクールヤードのプログラムを学校に提供することで、学校給食と地域の生産者さんを繋ぐことができ、地域の生産者さんの助けになったり支えになったりするような社会の好循環を生み出していけるポテンシャルを持っていると感じています。

――現在、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっていますが、活動に変化などはありましたか
山本:
子どもたちの日々の活動に大きな制約が生まれてしまったのがコロナ禍ですよね。外で自由に遊ぶことがはばかられてしまっていたり、教室でも机には透明なパーティションが置かれていて、給食の時間も会話をしてはいけない黙食が続いています。今、全国的に学校へ行きづらい子どもが増えていますが、無理もない状況かなと思っています。 エディブル・スクールヤードの授業にもコロナの影響が出ていて、食べることを大切にしている私たちの活動ですが、感染者が多い時期には学校の授業の中で食べるということが出来ない状況になってしまいました。 しかし、私たちの活動はガーデンという屋外で活動ができるという特性上、コロナ禍でも開放的な空間で思いきりのびのびと子どもたちと活動することができます。普段教室に入ることが難しくて、学校に来ても教室の外から覗いているだけといった子どもが、エディブルの授業の時はみんなの輪の中に入り、一緒に活動をし、最後にはみんなの前で発言することができた、そんな姿に出会うこともありました。子どもたちがガーデンでの活動を必要としているんだなと、心から感じます。 学校の先生からも、エディブル・スクールヤードの活動を必要とする声をいただいています。特に今年度2年生の子どもたちは、小学校入学後すぐに緊急事態宣言発出により休校してしまい、学校再開後もなかなか体験活動ができずに1年生を過ごしてきた子どもたちで、自然を思いっ切り感じる機会が不足していました。だからこそ、年度の初めに先生方と打ち合わせをした際には「子どもたちを泥だらけにしてあげてください!」と言われました。2年生は、泥でパイを作ってガーデン中の草花で飾り付けるマッドパイキッチンや、夏野菜を苗から育てる活動など、今年度4回の授業を過ごしたのですが、子どもたちの表情がどんどん変わっていくことを感じるプロセスでした。

”生きる力”の根底に必要な力が育める

――先ほど、多様な視点を養うこと、多様性の許容といったことを培うことができると仰いましたが、具体的に子どもたちのどのような力が育めますか山本:色々あると思います。自分の好きなこと・気になることを探求する力はもちろんのこと、困難を乗り越える力も得られると考えています。野菜を育てていくうえで、上手くいかないことってたくさんあるんです。野菜が上手く育たなかったり、雑草があまりにも増えすぎたり、収穫した野菜がおいしくなかったり。そのような直面する困難も、学習素材として取り上げています。何でうまくいかなかったんだろう、どうしたら上手くいくんだろうと考えることは、子どもたちが日々ぶつかるトラブルや困難を乗り越える力や、ポジティブに受け止めて改善していく力に繋がるのではないでしょうか。

 ”生きる力”は、課題を見つけて解決する力とか、やりぬく力とか言われていますよね。個人的な意見としては、そういう力を身に着ける以前に、自分はどんなことに関心があって、どんなことに感動して、どんなことにこだわりをもてて…、とか、どんなに些細なことでも良いと思うんですけど、そういう自分の中の”好き”っていう思いを自分自身で大切にできる思いや、発見することが生きる力の根底には必要だと思っています。 子どもたちが自分らしく、自分の興味関心のあるままにのびのび活動できるガーデンを学習の場にしているエディブル・スクールヤードの授業の中でこそ、そうした力が育まれると思っています。

――今回のマンスリーファンディングの目的を教えてください
山本:
私たちの団体は2014年に設立をして、7周年を迎えました。”すべての子どもたちに学校菜園を”というのが私たちのビジョンです。限られた条件下ではなく、広く子どもたちに届けていくという意味で公立の小学校での活動にこだわりを持ち続けています。やはり、公立の小学校で非営利の団体が活動していくとなったときに、どうしても課題になってくるのが資金面です。以前にクラウドファンディングを実施したこともありましたが、主に助成金に頼って活動を続けてきているという団体事情がありました。
もちろん、これまで7年間活動を続けてくることができたし、プログラムを発展させていくこともできました。しかし、ここから団体がより日本に向けてエディブルを広めていくために、活動をしている今のモデル校での授業の発展や日本における指導者育成事業だったり、そのようなことを今後展開していくためにも、さらに安定した資金源が必要なタイミングだ、と内部で話し合い、今回のマンスリーファンディングに挑戦させていただきました。

――今後の活動としては、どのようなことを考えていますか
山本:
モデル校での授業の発展や指導者育成事業を行っていきます。昨年12月から今年の2月にかけて、Growing Leaders for Edible Educationという指導者育成セミナーを開催しました。それぞれ自身のフィールドを持っている方だったりこれから始めていきたい方々、58名の方が全国から参加してくださいました。9月からは、日本全国にエディブル・スクールヤードの実践を広げていくため、モデル校における授業に実際に参画しながらエディブル・スクールヤード教育を身に着けるより実践的なトレーニングの開催を計画しています。 今年の4月には、東京都中央区にあります東京証券会館の屋上にて、屋上菜園”Edible KAYABAEN”をオープンしました。これまで3回のイベントを開催したのですが、のべ100名以上の子どもたちが集まって、収穫した野菜やハーブを使ったちらしずしやサラダを味わいました。9月からは、食と農・子どもたちの自然学校「アーススコーレ」をスタートします。

――今回のマンスリーファンディングで、中盤に寄付者を集める工夫をしたと聞きましたが、どんな工夫をしたのでしょうか
山本:
キャンペーン期間中の半ば、なかなか数字が伸びず、キャンペーンページを開いても変化が見にくい状態になってしまっていました。高村さん(Syncable准認定ファンドレイザー、エディブルスクールヤードジャパン様の伴走支援を担当)のアドバイスで、サムネイルの写真を刷新してページを開いたときの見栄えが良くなるようにしたり、キャンペーンページの文章を修正してページを訪れてくれる人により響く文章構成にするなどしました。

――マンスリーファンディングの開始前の印象と、終了した際の感想を教えてください
山本:
団体内では、開始前は意外とすぐに集まるのではないかという見立てがありましたが、なかなか支援者が伸びず、時間がかかってしまったので途中メンバーの焦りがありました。笑
 終わってからご寄付者のお名前を見ると、長く団体に関わってくれている方や数年前に関わってくださった方など、長期間見守ってくださっている方々が寄付をしてくれていました。新規の方も多く、より一層活動に対して身が入るというか、身が引き締まる感覚を抱きましたし、支援者数が増えていくごとに感謝が溢れていました。

全体的な取り組みに満足している

――今回の伴走支援の感想を教えてください
山本:
ものすごく感謝しています。去年の5,6月に連絡をさせていただいて、それから高村さんに長い間伴走していただきました。マンスリーサポーターを集めるノウハウが団体に無く、準備していくだけのポテンシャルが無かったため、自力で準備を進めるのは負荷の高いことでした。それを、1か月に1回定期的に、キャンペーン期間が近くなったら1か月に2回と、ペース配分もしながら毎回次までの課題を出していただき、段階を踏んで準備をしていけたのはすごく助かりました。

 キャンペーン期間中も週に1回ミーティングをしていただいて、新しい施策を確認しあって、次の一週間頑張ろう!と思えたり、中盤の伸び悩んでいるときにとても心の支えになりました。キャンペーンが終わる前日はまだ支援者数が70人台で、個人的には達成できないんじゃないかと絶望しかけていたんですけど、当日の朝、高村さんに「これはもう達成できる射程圏内です!」と言っていただいて気持ちを立て直すことができ、最後の一日を頑張れました。準備の段取りであったりキャンペーン期間中の支援であったり、丁寧な関わりに大きな感謝とともに、取り組み全体に満足しています。

――今後マンスリーファンディングを立ち上げたい団体に向けて一言メッセージをお願いします
山本:
継続寄付者の募集を始めていこうってなったときに、まず利用してみてください。マンスリーファンディングの機能は使っていてすごく快適だと感じました。キャンペーンの目標が、金額ではなく人数を設定できて、支援者数が増えていくという点は、一番最初に活動への支援者を集め始める団体にとってはすごくうれしいと思います。

Syncable伴走担当者の声

高村:軌道修正しながらのキャンペーンでしたが、団体様のチームワークが大変心強かったです。全国の子どもたちに「エディブル・スクールヤード」を届ける取り組みを引き続き応援しております。

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ファンドレイザーによる無料の相談会も随時行っており、寄付キャンペーンを立ち上げてみたいがイマイチやり方がわからない、よりたくさんの支援を集めるにはどうすればいいのか?など、様々な疑問にお答えします。

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